朝から現場に出て、見積りを作り、取引先に対応し、社員が帰った後も仕事をしている。それでも資金繰りが苦しい時は、働く量だけでなく、受けている仕事の中身を確認する必要があります。
売上と会社に残る現金は同じではない
売上が増えても、仕入れ、外注費、人件費、諸経費がそれ以上に増えれば利益は残りません。また、売上を計上しても入金が数か月先なら、その前に支払いが発生します。売上額だけでなく、仕事ごとの支出と入金時期を合わせて確認します。
値引きと特別対応が積み重なっていないか
取引を失いたくないための値引きや、断りにくい特別対応は、一件では小さく見えます。しかし、回数が増えると利益を大きく減らします。通常価格との差額と、追加でかかった時間や費用を一度書き出すと影響が見えやすくなります。
追加作業を請求できているか
見積りに含まれない修正、やり直し、現場で頼まれた作業を請求できていない場合があります。作業内容と時間をメモし、次回から見積りの範囲、追加料金、承認方法を明確にします。請求漏れを減らすだけでも、同じ仕事量で残る金額が変わります。
入金より先に現金が出ていないか
材料費や外注費を先に支払い、売上の回収が後になる仕事は、受注が増えるほど一時的に資金を必要とします。受注額だけで判断せず、支払日と入金日をカレンダーや手帳に並べ、会社が立て替える期間と金額を確認します。
仕事ごとの採算を簡単に記録する
精密な原価計算から始める必要はありません。仕事ごとに、売上、直接かかった仕入れ・外注費、おおよその作業時間を記録します。週に一度10分だけ確認し、「忙しいが残らない仕事」と「会社に現金を残す仕事」を分けることが改善の出発点です。
数字が揃っていない場合も、分かる範囲の記録から始められます。契約条件や会計・税務上の取扱いは、会社の状況に応じて確認が必要になる場合があります。