大きな売上を支えてくれる取引先は、会社にとって重要な存在です。一方で、その取引を失う不安から値下げや急な依頼を断れず、採算や資金繰りが悪化していることがあります。すぐに取引を減らすのではなく、まず依存の状態を数字と取引条件の両面から確認します。
売上比率だけで安全性を判断しない
特定の取引先の売上比率が高いほど、その取引の変化が会社全体へ与える影響も大きくなります。ただし、売上比率だけでは実態を判断できません。値引き後の利益、材料費や外注費の先払い、入金までの期間、追加作業の有無を合わせて確認します。
断りにくさが採算を悪化させていないか
長い付き合いや受注量への配慮から、値下げ、短納期、見積り外の作業、支払いの遅れを受け入れている場合があります。一つひとつは小さく見えても、積み重なると利益と現金を減らします。「この取引先だから例外にしている条件」を書き出すと、負担が見えやすくなります。
4つの項目を取引先ごとに並べる
精密な資料から始める必要はありません。売上全体に占める割合、おおよその粗利益、支払日から入金日までの期間、無償で対応している追加作業の4項目をメモします。分からない数字は概算でも構いません。まず、売上の大きさと会社に残る現金が一致しているかを確かめます。
次の受注で一つだけ条件を伝える
関係を急に変えようとすると、現場にも取引先にも負担がかかります。次の依頼を受ける時に、価格、納期、支払条件のうち一つだけ自社の希望を伝える方法があります。追加作業は内容と金額を事前に確認し、口頭で決まったこともメールなどで残します。
依存を減らすことは取引をやめることではない
大口取引を直ちに減らすのではなく、採算が合う条件へ近づけながら、他の取引先や仕事の比率を少しずつ増やします。週に一度10分だけでも、受注額ではなく「入金後にいくら残るか」を確認すると、続ける仕事と見直す仕事を判断しやすくなります。